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なんです。それから、人と人とのつながり。特にご年配者の考え方とか、その地域を知らなければ民俗芸能はずっと引き継いでいかれない。まさに、今、世の中に起きていることと、実際芸能が抱えているというのは全然逆なんですね。
そういうことで問題は、突き詰めていうと、それを指導する人、特に学校の先生方においては、30代、40代の人たちは地元のお祭りもみたことなければ、学校で日本のものについては教えてないんです。日本の歴史は教えるんだけれども、民俗的なものは全然教えてないものだから、先生たちは面倒だから、子供たちには教えないわけです。そういうこともありまして、このところ「空洞化現象」というのがいろいろなところで起きている。そして、悪い意味の変化が起きております。
もう一つ、私が調べたのは、これも本当ゆゆしき問題なんだけれども、主にホール関係を調べたんです。これは、本当に山の中においてもすばらしいクラシックホールがあって、海辺にもある。そうしますと、これが今、こういう時代になってくると、町の財政をすごく圧迫してしまっている。しかし、せっかくつくったからそのままほうっておくわけにはいきませんし、何かをやらなければいけない構造になってしまっています。つまらないものでもやらなければいけない。そうしますと、今までバブルの時代の発想でつくったものが、この時代になると地域の団体で使えないようなホールもあるわけです。例えばクラシックホールです。残響1.5秒〜2秒が障害となり太鼓もマイクも使えない。バトンもないので演劇にも使用できません。その地域の特性を無視したホールづくり。これが今になっていろいろな形の問題が吹き出ている。かつては、専門的な特色を持ったホールはいいことだということが、今は逆に、専門的な特色をもったホールが地域のいろいろな文化活動の足を引っ張ってしまっている。それで非常にお金がかかるわけです。
それで、自主事業というところを主に調べたんですけれども、結局、お金がかかるものだから、自分たちのものをつくるというよりも、何かよそでやったものをまねしたがる。それから、内容よりも、要するに客が入ればいいんだという経済的な論理。これが優先になってしまって、もともと何のためにつくったホールなのかという意義がすっ飛んでしまう。
それから、もっと大切な問題は、今先生がおっしゃったように、担当者が2〜3年でころころかわっているわけです。これは民俗芸能の担当もそうなんです。どうしても文化・芸術というのは、ある程度その人たちに素養というんでしょうか、文化的な何かをもって、その地域を何とかしたいという気持ちがなければ、単に流れ作業的なものではできないんです。お祭りも毎回違うようにホールの運営や自主事業も毎回違うんです。同じことをやっても客も違うし、やり方も違うし、担当者も違う。だから、同じものが二度とないというのが文化の特性なんです。そうなると、やっぱり専門的なことを勉強したアートマネジメ

 

 

 

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